岩泉町の「森」と「ヒト」の35年の物語 そして未来

木の一生をあなたの人生と照らし合わせてみよう

森の町内会が第1回目の間伐を実施した岩泉町のアカマツ人工林と、岩泉町生まれ岩泉町育ちの赤松さん(35歳)。それぞれの生まれてからこれまでの35年の物語とこれからの未来を描いてみました。皆さんも森林と人の成長と時間を想像してみてください。

注)赤松さんは架空の人物です。

人工林のアカマツ林齢西暦年齢ヒトの赤松さん
植え付け:
約2年かけて高さ25cmにまで成長した苗木が、遂に植え付けられます。1ha当たり約4,000本のアカマツの苗木が植樹されました。
1年1970年0歳誕生:
5月に岩泉町内の岩泉病院で誕生。3500gの元気な赤ちゃん。真っ直ぐ育つ樹木のように育って欲しいと「直樹」と名付けられました。
下刈り:
毎年2回の下刈りで、アカマツの成長を阻害する雑草やつる植物を刈りとりました。アカマツは順調に成長を続け、3メートルを超える高さとなりました。
5年1974年4歳幼稚園入学:
町内の岩泉幼稚園に通い始めた赤松さん。ちょっとおとなしいけど、よく食べ、元気に走り回る子どもでした。
  1976年6歳小学校入学:
町内の岩泉小学校に入学。1年生の担任の先生に初恋。学校が終わると友達と山を散策して虫を捕まえたりして遊びました。
徐伐(1回目):
アカマツは高さ6m、直径7cmにもなりました。徐伐により1ha当たり約2,500本に選別されました。
10年1979年  
  1982年12歳中学校入学:
徐伐(2回目):
アカマツは高さ9m、直径11cmにまで成長。徐伐により1ha当たり約1,600本に選別されました。
16年1985年15歳高校入学:
盛岡市内の高校に進学し、勉学・スポーツに励んだ。特に部活は野球部に所属し、熱い高校生活を過ごしました。
  1988年18歳大学進学:
東京の私立大学に現役で合格し、進学。一人暮らしを始めました。全国各地から集まってきた仲間と出会い、充実した学生生活を送りました。
  1992年22歳就職:
都会の生活から一転し、地元に就職。都会での生活も魅力的だったけれど、あらためて岩泉町で生きることを決めました。
間伐(1回目):
アカマツは高さ13m、直径17cmにまで成長。間伐により1ha当たり約1,000本に選別されました。
26年1995年  
間伐(2回目):
※森の町内会第1回間伐(詳細はこちら)
アカマツは高さ17m、直径24cmにまで成長。間伐により1ha当たり約800本に選別され、搬出された間伐材はパルプとして紙に生まれ変わりました。
36年2005年35歳結婚:
ちょっと遅めではあったが、ようやく人生の伴侶をゲット。仕事にも励みができました。翌年には第一子が誕生し、家族も増える予定です。
■ 未来 ■
間伐(3回目):
アカマツは高さ20m、直径33cmにまで成長。間伐により搬出された間伐材の大半はパルプとして使用され、一部用材として利用される。
51年2020年50歳二人の子供は中学生に成長し、自身は職場でも部下を管理する立場になる。休みの日は妻や子供たちと一緒に地域の環境活動や森林ボランティア活動に従事。子供たちにも地域の自然環境に興味を持たせる。
間伐(4回目):
アカマツは高さ22m、直径42cmにまで成長。間伐により搬出された間伐材の多くは用材と使用され、一部パルプ材として利用される。
66年2035年65歳定年退職後は、夫婦揃って釣り、チェーンソーアートを楽しみながら、地域活動にも精力的に参加。2人の孫もでき、一家三世代が同居する大家族で笑い声の絶えない毎日を過ごす。
主伐:
アカマツは高さ24m、直径50cmに成長し、すべてが用材として伐採される。
80年2049年79歳妻とともに、のんびり畑仕事をしながら、地域活動などを続ける。自家製の無農薬野菜を中心とした食卓を囲んでの家族団らんは、何よりの楽しみ。